どんなプロフェッショナルでも、年齢とともに結婚や育児、病気、介護など様々なライフステージの変化に直面します。エンジニアが長く働き続けるためには、仕事の面白さや尖った技術を扱えることなど業務面の魅力も大切ですが、こうしたライフステージの変化にも向き合わなければなりません。

「家族を大切にすることが仕事に集中できる環境をつくる」と考えるZERONIでは、現在8~9割のメンバーが子育て中。どうやって家庭を最優先にしながらも質の高いプロダクトを生み出しているのか、3人のメンバーに聞きました。
プロフィール(左から)

プロダクトデザイン 音田 一成 kazushige Otoda
会計系およびサプライチェーンマネジメント関連パッケージ製品の開発部門でマネジャーを務めた後、ZERONIにジョイン。ZERONIではSI事業において運用・保守・サポートやカスタマーサクセス、顧客の伴走支援なども手掛ける。

プロダクトデザイン 戸田 茜 Akane Toda
会計系およびサプライチェーンマネジメント関連パッケージ製品の開発部門で10年にわたり活躍し、プロダクトオーナーも務める。専業主婦を経て2022年8月よりZERONIにジョインし、SaaSプロダクトのバックエンド基盤開発や運用面を担う。フルタイム・フルフレックス・フルリモート勤務を実践中。

プロダクトデザイン 川地 琢人 Takuto Kawaji
HR系およびサプライチェーンマネジメント関連のパッケージ製品でプロダクトオーナーを務めた後、2022年よりZERONIにジョイン。SI事業の保守運用からSaaSプロダクトの企画・開発まで広く手掛ける。

プロダクトオーナーとマネジャー経験者が集うフルフラット型組織

── まずはZERONIに感じている魅力と、現在の仕事についてお教えください。

戸田:私はもともとパッケージ開発の会社で、多いときで20~30人の部長をしていました。ですが会社自体が大きな転換期に入り、組織に対するエンゲージメントが下がってしまったんです。子育てとの両立が難しい環境にも、限界を感じていました。

前職を退職後、西浦さんが立ち上げた会社の運営方針の話を聞いて。家族を大切にすることが、仕事に集中できる環境をつくるという考えで組織運営していると知り、ZERONIなら子育てと仕事の両立が可能かも知れないと考え、ここで働きたいと思いました。

西浦さん自身も双子の子育て中なので説得力がありますし、メンバーの心の機微を敏感に察知してくれる人です。個々人の得意・不得意や、やりたいこと、不満に思っていることなどを感じ取ってくれる西浦さんのもとであれば、仕事に集中しやすいのではないかと思いました。

入社後の現在は、開発中のSaaSプロダクトにおいてバックエンドの基盤開発・運用などを担当しています。

音田:メンバー全員がプロダクトオーナーやマネジャー経験者であるというのは、ZERONIの大きな特徴だと思います。全員がプロダクト全体を俯瞰した仕事ができるし、組織に役職者を置く必要がない。マネジャーのいない、フルフラットな組織体制を実現できているのが魅力的です。

ZERONIにジョインすることを決めたのは、西浦さんほど多くのメンバーを引っ張っていく力があり、メンバーが増えても1人ひとりを大切にしてくれるリーダーはいないと感じたからです。

メンバーのちょっとした変化にも敏感ですぐに声をかけてくれるし、コードをしっかり見てくれて強みや個性を理解しています。業務面でも、納得がいくまで徹底して付き合ってくれる面倒見の良いところに惹かれました。

いまはSI側の事業部で運用、保守のサポートなどを行っています。

音田「メンバー全員がプロダクトオーナーやマネジャー経験者なので、視座の高い会話ができています」

川地:プロフェッショナリティを発揮しやすい環境ですよね。プロダクトオーナーやマネジャー経験者の集まりなので、話が早いですしプロダクト開発の勘どころをおさえています。

以前は、メンバーのスキルアップに大きく時間を割かなければなりませんでした。いまは自律的に仕事ができるメンバーの集まりなので、全員が100%の力を出すことで自然とプロダクトが120%のクオリティになります。プロが集まればこれほどプロダクトの質が上がるのかと驚く毎日です。

僕自身は、ZERONIではSI事業の運用保守からSaaSプロダクトの企画・開発まで広く手掛けています。

家族タイムに大きな変化。仕事前にゴルフの練習も

── 具体的に、働き方はどう変わりましたか?

戸田:生活習慣が大きく変わって、朝いちでゴルフの練習へ行ってから仕事を始めるなど、健康的なライフスタイルを送れています。いまは夫婦ともにZERONIで働いているのですが、「家族タイム」をしっかり取れるようになったのはとくに大きな変化です。

フルフレックスの会社でも、場合によっては夕方に会議が入ったり、日中はお客様対応に忙しい営業との打ち合わせが入ったりすることがありますよね。以前は夕飯時に夫婦どちらかの会議や営業との打ち合わせが入ってしまい、なかなか家族3人で夕食をとることができませんでした。保育園のお迎えも、ずっと私1人で担当していましたし。当時はマネジャーだったので土日のトラブル対応もあって、家族の予定を入れられませんでした。

でもいまは土日の呼び出しもありませんし、毎日家族で夕食をとることができています。うちの子はもうすぐ3歳なんですが、物心のついてきた子どもに、「父親」「母親」両方の生き方を見せることができていてうれしいですね。


戸田「育児の負担が大幅に軽減。家族3人の時間が増えました」

川地:うちはいま上の子が4歳で、妻が下の子を妊娠中なんです(取材当時)。前職ではパートナーの心身をケアしたいと思っても、なかなか言い出しにくい雰囲気がありました。

ZERONIでは、全体の8~9割が子育て中です。「家庭を優先してね」という空気感がありますし、家族を優先させたいときに包み隠さず言えるようになりました。プライベートと両立しやすくなったと感じています。

音田:僕も、転職してパートナーからとても喜ばれています。子どもが産まれたときはすでにZERONIに勤めていたのですが、西浦さんとも相談してあえて育休を取らない選択をしました。もちろん育休を取るという選択肢もありましたが、フルフレックスの環境を生かして、働く時間帯をコントロールしながら育児と両立したかったんです。西浦さんからもはっきりと、子どもを優先してほしいと言ってもらえたのも心強かったですね。

実際子どもが熱を出したときは、僕が日中に子どもの面倒を見て、妻が仕事から帰宅して子どもが寝たあと仕事をしています。子どもの夜泣きがひどかったときは、午前中仮眠させてもらって、午後から稼働することもありました。

おかげで夫婦2人とも無理なく仕事を続けられています。

それに、ZERONIは制度面も充実していると感じます。

・育児補助:1世帯あたり月2万円

・ヘルスケア補助金

・家族も含めた人間ドック・脳ドッグ・予防接種費負担

などがあり、総合的に可処分所得が増えたと感じています。

男女問わず、子どもの成長にしっかり向き合いたいタイミングを大切にできる、子育てに最適な環境ではないでしょうか。

家族を最優先しつつ、プロダクトの質を高めるチームの「仕組み」

── 一方で、生産性を上げるための仕組みや工夫はありますか。

川地:1つの機能を1.5~2人の複数メンバーで開発しているのは、生産性を上げる工夫の1つだと思います。

一見、1人で1機能を担当したほうが効率的だと思うかも知れません。しかし、組織全体でみんなのタスクをうまく吸収できる体制をつくっておけば、イレギュラーな事態にも臨機応変に対応できます。

コロナ禍では、保育園や幼稚園が急きょ休園になってしまうことがありますよね。その際、メンバーの稼働が減ってしまうのは仕方のないことです。そういうときのためにも、複数メンバーで開発を担当し、状況を把握していれば進捗が止まってしまうことを防げます。

その日進めるべきタスクやお客様対応などを取り仕切る、日替わりの担当リーダー制を敷いているのも、生産性を上げる仕組みの一種です。このリーダー業務も、メンバー同士で「今日は代わってもらえない?」「来週は自分がやるよ」と調整し合っています。

 

「家庭とプロダクトの質を両立させるための様々な仕組みがあります」と川地

音田:プロダクトや機能についてアイデアを持ち寄る「雑談タイム」も重要ですね。これは西浦さんや他のメンバーと壁打ちしながら、アイデアをブラッシュアップしていく取り組みで、完璧な仕様ができている必要はなく、A41枚程度のメモ書きで大丈夫。西浦さんからは「3割程度できたら壁打ちしよう」と言ってもらっています。

ラフなアイデア段階からディスカッションすることで、チームとしてすべきこと・すべきではないことのボーダーラインが明確になりますし、自分だけで抱え込むより、スピーディにプロダクトの質が上がっていく手応えがあります。

「日々の雑談タイムでアイデアをブラッシュアップしています」と音田

戸田:マネジメント経験者としては、こういう場はとてもありがたい。ルールやレギュレーションがガチガチに決まった中でつくっていくのではなく、ディスカッションする中ですべきこと・しなくていいことが明確になっていくので、すべきことに集中しやすいなと感じます。

本格的な開発に取り組む前に、全体のビジョンを共有する場でもあると思っています。

── 同僚のどういうところにプロフェッショナリティを感じますか。

川地:「この人に任せておけば大丈夫」と、背中を預けられる点です。以前は、何かを頼みたいと思ったらハンズオンで細かく指示をしなければなりませんでした。始終情報共有のSlackが飛び交っていて、コミュニケーションコストの高さにストレスを感じることも多かったんです。

ZERONIのメンバーなら、「お願いね」のひと言でやりたいことがある程度通じます。Slackでのやり取りは8~9割は減ったのではないでしょうか。仕事を任せきることができる、信頼し合える環境だと思います。

「気のおけない仲間と、家族を大切にしながら働けるので長く居続けられる環境ですね」と川地

戸田:私は、個々のメンバーが責任範囲を広く捉えている点ではないかと感じています。自分の仕事さえ終わっていればいい、と考えるメンバーはいません。求められていることの本質は何なのか、本当にお客様のためになるのかということを一人ひとりがしっかり考え抜いているなと思います。

コードは動き続ける。社会の役に立つプロダクトを送り出したい

── 最後に、これからのキャリアについてお聞かせください。

川地:その時々で、目の前のマイルストーンを着実にクリアしていくことで、できることを増やしていきたいですね。

音田:これまでマネジャーを経験する中で、実は自分にはプレイヤーが向いているのではないかと思うようになりました。でも組織が大きくなっていくと、なかなかプレイヤーに戻るのは難しい。プレイヤーとして開発に専念できるいまの環境は、とてもうれしいですね。これからも、できるだけ現場のプレイヤーとして、腕を磨いていきたいと考えています。

エンジニアとしては、「社会から感謝されるプロダクトをつくりたい」という思いを抱き続けています。今後もユーザーにも社会からも感謝されるプロダクトを開発していきたいですね。

「エンジニアは天職。自分の書くコードで世の中の役に立ち続けたい」と戸田

戸田:私にとって、エンジニアは天職です。この仕事を一生、続けていきたい。もちろん、子どもや家族のこともあるので、自分の都合だけで未来を決めることはできません。とはいえ、この先も何かしらの形でこの仕事に関わっていきたいと思っています。

エンジニアの醍醐味って、これまで書いてきたコードも、いま書いているコードも、ずっとお客様先で動き続けることです。誠意ある仕事を積み重ねて、自分のコードを画面の向こう側にいるお客様や、未来のエンジニアに託せるような仕事にしていきたいですね。

撮影:赤松洋太/編集・執筆:石川香苗子

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